車のエアコンをつけたときにカビ臭いニオイがしたことはありませんか?
ニオイのもとの多くは、エアコン内部に発生したカビ・雑菌などが原因とされています。家庭のエアコンも同様の理由でニオイが発生しますが、スプレータイプの洗浄剤を使用して自身で掃除をする人やプロに依頼してクリーニングをしたことがある人もいると思います。家庭のエアコン洗浄と車のエアコン洗浄の大きな違いは洗浄したい部分が見えるか見えないかになります。筆者はこれまで日産セレナ(C27)のエアコン洗浄を日産ディーラーに依頼していました。洗浄後は嫌なニオイが消え、洗浄剤のヒノキの香りが数日間、漂うようになり効果を実感していました。残念ながら、1~2年経過するとやはり、カビ臭いニオイがは発生してしまいます。
そこで、DIYで何とかできないかと考えて実施ところ、日産ディーラーと同様の効果が得られたので同じ思いでいる方の参考になれば幸いです。
自動車用エアコン(エバポレーター)洗浄剤
自動車のエアコン洗浄とは、一般的にエバポレーターという部分を洗浄することになります。厄介なことに簡単には目視で確認できない部分にあるためDIYとしてはハードルが高くなってしまいますが、様々な洗浄剤が販売されています。
エバポレーターの洗浄方法として、大きく分けてエアコンフィルターを取り外してから、その奥にあるエバポレーターを洗浄する方法と車体の下側にあるエアコンのドレンを利用して洗浄する方法があります。どちらの方法で洗浄作業を行うかで使用する洗浄剤が異なります。
エアコンフィルターを外して使用する洗浄剤
こちらの方法で使用する洗浄剤は比較的安価に購入することが可能で種類も多くあることがメリットです。デメリットとしては、エアコンフィルターを外す作業が必要となり、車種によっては特殊な工具が必要なケースもあります。
エアコンフィルターを外した後は、エバポレーターを狙ってスプレーを噴射することになりますが多くの車種では、目視で確認するためにファイバースコープなどのカメラが必要となるため確実に汚れを狙って噴射するためには大掛かりな準備が必要となります。
近所のオートバックスではこちらの方法でエバポレーター洗浄を行っているようでした。こちらではウルト(WUERTH)の洗浄剤を使用しているようです。
エアコンのドレンを利用して使用する洗浄剤
こちらの方法で使用する洗浄剤は先にご紹介した商品と比較すると価格は高くなります。さらに種類も少なく限定されることがデメリットになりますが、エアコンフィルターを外す作業は必要ありません。部品を外す作業は必要ありませんが、エアコンのドレンを特定するため車体の下側を確認する必要があります。作業方法は簡単でエアコンのドレンに洗浄剤のノズルを差し込んでスプレーを噴射するだけです。もちろん、エバポレーターを目視することはできませんが、洗浄剤は噴射後、ムース状になりエバポレーターを包み込みながら洗浄できるようになっています。
日産ディーラーではこちらの方法でエアコン洗浄をしているようです。
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実際のエアコン(エバポレーター)洗浄作業
今回は日産ディーラーでも行われているエアコンのドレンを利用した洗浄方法で作業することにしました。また、日産ディーラーでも使用されているPITWORKの洗浄剤もネット通販で購入できます。
①車体下側のエアコンドレンを確認
作業をはじめる前にエアコンのドレンを探す必要があります。整備工場のように車両をリフトアップすることができないため今回はジャッキアップすることにしました。
※画像をクリックすると拡大します。
約30cmジャッキアップした後に、ジャッキが外れる可能性も考えられたので浮いた前輪タイヤの下にブロックを置き、その後タイヤがブロックに付くまでジャッキを下げてから作業を開始しました。この状態で地上高が約28cmとなりました。
ジャッキアップ以外の方法として、スロープを使用することも良いかもしれませんが保管場所の問題と使用頻度が少ないため今回はジャッキを使用することにしました。
車内のエアコン操作パネルの真下に車体からゴム製のドレンが確認できます。ジャッキアップ側からアクセスしましたが、結構な距離がありました。
②エアコン(エバポレーター)洗浄剤を準備
PITWORKの洗浄剤を準備しました。
日産ディーラーでも使用されているようで、外箱には日産の表示がありました。
残念ながら、使用方法の記載はありませんが使用前にボトルを振ってから上部にノズルをセットするだけです。ノズルをセットする際はスプレーが噴射しないように注意が必要です。(差し込みは硬いです。)
ここまで準備ができたら、あとはエアコンのドレンに差し込むだけ!
③エアコン洗浄開始!
エアコンのドレンにノズルの先端をしっかりと抜けないように差し込みます。
準備ができたら、噴射を開始するだけです。噴射する際は強く押すとロックされその後は洗浄剤が無くなるまで自動で噴射されます。
約30秒~50秒で洗浄剤の噴射が終了。その後は10~15分程度放置した後にエアコンのドレンからノズルを外して完了です。
ノズルを外す際は、洗浄後の洗浄剤が液体となって排出されます。今回はバケツで回収しようと考えて準備しましたが・・・
ジャッキアップしての作業だったため作業スペースも狭く、バケツでのキャッチに失敗してしまいましたが、洗浄作業は完了です。
④仕上げ作業
最後の仕上げと言っても難しいことはなく、内気循環にした状態でエアコンの温度を下げて強風にするだけです。これはエバポレーターを結露させて、残った洗浄剤を洗い流すために行います。夏場であれば通常にエアコンを使用するだけでOKです。
エアコンの送風口からは明らかに爽やかな香りが漂いきれいになった気がします。
最後に
今回のエアコン洗浄はフロントのみになります。リアエアコンについてこの方法は使えない?というかエアコンドレンが目視できませんでした。日産ディーラーにエアコン洗浄について問い合わせをしたところエアコン洗浄はフロントのみでリアは行っていないようです。
ご紹介したエアコンの洗浄方法は1つの方法です。全ての車種に対応できるかは分かりませんが日産セレナ(C27)では日産ディーラーで行う作業と同等の効果が得られたと実感しています。